竹が放つ自然環境改善の力 2016年1月14日福島 巖、篠﨑正利

昔から悪い鬼ほど尊い神と信じられてきているように善悪両面を持つ物質が多く存在する。日本でも四国・九州を初め暖かい地方は猛烈に繁殖する竹林のために山林や農耕地が狭められてきた。

昭和期以前は様々な竹細工が利用され大切な資材だったがプラスチックのような合成化学品が出回ると無用の長物になり果ててしまった。私どもK-BETSのグループは竹林を一定区域に限らせるために竹の用途開発を真剣に考えてきた。そして竹を大量に消費できること、他の資材よりも安価に供給できることの2点から竹炭と竹粉を作って販売し、竹林整備が推進できる環境を整えようとNPO法人竹もりの里と一緒に取り組んできた。  最初に竹炭をいかに安く効率的に作るかに焦点を置いた。野焼きだと灰になってしまい収率が悪い。ここを改善した竹専用焼却器を作っているメーカーもあるがこの設備の生産性ではコストが高くて競争力がない。私どもが取り組んだのが大型の炭化器で1回の生産量300400kgを3人で3時間ほどで生産できるものを作り3回の実験を経てほぼ完成品に近いものを作り上げた。 

竹炭のすばらしい効果
竹炭は木炭に比べて微細空隙を10倍ほど持っている。植物の生育に応用した時ここに微生物が住み着きその作用で大きな植物生育促進効果を発揮する。竹の持つアルカリ性効果でCaの散布をしなくても済み、Kの効果で根菜類の生育には目を見張るようなものがある。木炭と同様、脱臭や空気や水の清浄化作用は勿論ある。小さく砕いて鶏や牛の餌に混ぜて家畜の生育環境を整えたり、私どもの食品に混ぜて腸の消化を改善したりする働きも注目を浴びている。  様々な有益な効果があり、従来にない安価な値段で買うことができるような状況になっているのだが、皆さんに実情を伝えるチャンスが無いため情報が届いていない。日本各地で竹炭普及会を結成しようと宣伝活動を計画している。

 第17回「エコプロダクツ2015」に出展
20151210日~12日の三日間、 東京ビッグサイトで開催された「エコプロダクツ展」にNPO法人「竹もりの里」と共同で出展した。お客さまからもらった名刺の数は約100枚。出展中にいくつかの商談や合意ができ竹炭の宣伝活動ができ満足だった。

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 NPO竹もりの里とK-BETSの展示ブース

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下にある大きな光る囲いはステンレス製の最新大型炭化器で焼け跡も無く新品の展示だった。説明がないと見過ごしてしまう。中にある円形の鍋は市販の炭化器に竹炭を乗せたもの。中央で説明しているのが竹もりの里、鹿嶋理事長

eco3.jpg 当日の説明員。中央はミス日本・みどりの女神 最新

炭化器の燃焼テスト
エコ展に展示した最新炭化器を20151217日千葉県長柄町の都市農村交流センター炭焼き小屋にて操業実験を行った。

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炭化器の寸法は幅1829mmx長さ2438mmで材質はCr系ステンレス430で熱膨張係数が最も小さい材質を選んだ。点火後10分。

eco5.jpg 3時間後容器いっぱいの竹炭ができて表面燃焼状況が安定したらタンクから水を供給して消火作業に入る。

eco6.jpg 今回の設計ポイントは炭化器の鋼板が熱変形で曲がってしまう問題をどのように解決するかであった。板が変形しないように最も適した素材を準備する・・SUS430の使用。もう一つは内貼りとして内部に波板を張って最高温度を緩和してやること。この目的で付ける側と付けない側を設けた。付けた方は全く歪なし、直接さらしたものでは量は少ないが熱を受けてテンパーカラーの色が付いた。消防服のような耐熱素材を使うか波板にするか費用と何回使用可なのかを検討して決める。

 林業システム研究会への参加
毎月開いている検討会、111日にエコ展で知り合った人2名が飛び入りで参加頂き我々がどんな活動をしているのかを見てもらった。後藤さまは樹木医で木炭の活用に注目されて熱心に聞き入っていた。我々も診断の方法を学んだ。友塚氏は現役で活動中でNPO法人「ちば里山センター」会に参加している。

eco7.jpg 樹木医の後藤さま(左、エコプロダクツ展会場にて)

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林業システム研究会の後、千葉大の加藤先生によるレーザーを用いた森林の計測方法について有意義な講演をいただいた。その後懇親会を開き、皆で和気あいあい楽しい一日が過ぎた。

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