公園で見かけた「ハンカチの木」 2014年4月27日 荒川 英敏                         

  ロンドン便り その31
このところロンドンの天気は春と冬が交互に来ている感じです。特に朝晩は10℃を下回り時折暖房が必要になります。幸い滞在先には深夜電力利用の蓄熱式暖房機が設置されているので室温が20℃に保たれて寒い思いをせずに助かっています。

 蓄熱式暖房機については以前にも紹介したことがありますが、イギリスが半世紀以上前に開発したもので、原理は内蔵するレンガを深夜電力で700℃まで加熱し蓄熱します。翌朝7時からその日の夜12時までまったく電気を使わずに蓄熱された熱が輻射熱となって徐々に放熱され暖房する仕組みになっています。

 滞在先のものは1986年に設置され、28年目になります。蓄熱量と放熱量の制御はマイコンが普及する前だったので、アナログ式ですが、これがなかなかの優れもので、翌日の気温を予測して蓄熱量を決め、放熱量は機械式のダンパーでコントロールし室温を保っています。音もなく静かなもので、今日まで故障もなく使用できているのには驚きます。

 ところが最近ではCOP(投入した電力と発熱量の比)が1で(ヒートポンプのCOPは4以上)エネルギー効率が悪い暖房機の代名詞となり、徐々にその存在感を失ってきています。しかしながら良く考えて見ますと、エネルギーを熱として貯めることができる蓄熱システムであることが認識されて来ており、特に、太陽光発電と組み合わせることで電気代がゼロになる可能性も出てきています。この項は後日、詳細にレポートしたいと思っています。
さて、今日の陽気にさそわれて近くの公園を散歩しました。少し陽気が良くなるといずこも同じで、イギリス人も犬を連れて散歩したり、ジョギングしたり、家族連れで散策したりと楽しんでいる様でした。公園の一角で「ハンカチの木」が正に満開でした。

 東京ではあまり見かけないと思いますが・・・、イギリス人からもHandkerchief Tree、又は、Dove Treeと呼ばれて親しまれている様です。Doveとはハトの別の呼び方で、平和にもつながります。従って、穏やかな人を指す事もあります。良く見ると沢山の真っ白なハンカチが木の枝に洗濯ばさみで吊るされている様で、なにかユーモラスで心が穏やかになりました。(了)

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      ハンカチの木

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花はハンカチが枝に吊るされている様にみえます

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