ロンドンオリンピック開幕まであと10日  2012年7月16日  荒川英敏

  ロンドン便り その17

 昨日、オリンピック開幕を真近に控えたロンドン市内に行って来ました。中心部のデパートや有名店舗が立ち並ぶリージェントストリートもオックスフォードストリートもオリンピック関連の飾り付けも鮮やかに、多くの人たちで賑わっていました。

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     オリンピック開幕直前で賑わいを見せる中心街のリージェントストリート

   先日もロンドンのジョンソン市長がイギリスオリンピック協会会長のコー伯爵と共にBBCテレビに出演し、「ロンドンオリッピックの準備は完了し、支出も予算を下廻っており、あとは選手達やコーチ陣、世界中からの観客を受け入れるだけです」と胸を張って発言していたのが印象的でした。 空の玄関、ヒースロー空港ではテロを警戒して警備のため軍隊の派遣が始まっています。入国カウンターではこれまでのUK専用、EU諸国専用、その他諸国専用カウンターの他に、米国、カナダ、オーストラリア、ニュージランド、日本等のテロを起こす危険性が低いと思われる国向け専用カウンターが設けられ、入国審査のスピードアップを図っています。
テロを警戒してロンドン空域でのプライベート航空機の飛行禁止も始まり、メーン会場に接近する不審な航空機を撃ち落とせるミサイルも配備されているとのことです。またロンドン市内の各競技場に通じる幹線道路には選手、コーチ、役員が選手村から競技会場まで車で移動する際に利用出来るGames Laneと呼ばれるオリンピック関係者専用レーンが設けられて渋滞を避けて通れる配慮がなされています。

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今日開通した高速道路ヒースロー線のGames Laneと7月26日に開始予定の一般道路のGames Lane

 陸の玄関でヨーロッパからの高速列車ユーロスターが発着するセント・パンクラス駅でも警察や軍の警備が始まっています。また同駅と新設のメーン会場駅を僅か7分結ぶジャブリントレイン(Javelin Train – オリンピック競技のやり投げになぞらえての高速列車の意味)の運行が開始されており、当局はこの列車によるヨーロッパ諸国や国内各地からの観客の輸送能力を最大で25,000/時を見込んでいます。

 ジャブリントレインに使われている列車は日立が製造した新幹線仕様の高速通勤電車で、実は3年前にロンドン~パリ間を結ぶ、高速鉄道路線(HS1- High Speed 1)のイギリス国内部分が全面開通した時に、この列車によるロンドンとイギリス南東部のケント州間の運行が開始されました。この間、通勤電車としては高速の225kmh走行で通勤時間をこれまでの約半分に短縮し、故障も無く、その運行の正確性が高く評価されています。この路線の開通当時イギリスでは「Japanese Bullet Train on British soil!」や日本では「鉄道の母国英国に日本が新幹線技術で恩返し!」と言うことで、大きな話題になりました。(了)

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     日立製のジャブリントレイン

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