バイオ燃料を藻類から ー 日本は積極的に推進すべし
日本経済新聞―2010.5.22 第一面トップ記事
バイオ燃料を藻類から
ー農水省、トヨタ・中大などと共同研究 藻類で飛行機や自動車を動かすー
農林水産省は企業や大学と連携し、湖沼などに生息する藻類を原料としたバ
イオマス(生物資源)燃料の開発に乗り出す。
月内にもトヨタ自動車や中央大学などに委託する共同開発に着手、2020年を
目標にガソリンや軽油の代替燃料の実用化を目指す。
産学による新エネルギー創出の取り組みを本格させ、温暖化ガスの削減につ
なげる。農水省が手がけるのは、「シュードコリシスチス」という藻類を育
てて内部にたまる油を取り出し、ガソリンなどに代わる燃料を精製する仕組
みづくりの研究。
10年後を目標に藻類から自動車や飛行機などに使う石油の代替エネルギー
を抽出、量産できる技術を開発する。国内で消費する軽油の1~2割を賄え
る体制を整えたい考えだ。この開発にはトヨタやデンソーのほか、京都大学、バイオ
ベンチャーのマイクロアルジェコーポレーション(岐阜市)など9社・大学が参加する。
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藻の研究は、日本はアメリカに遅れていると気がついた政府は、産学との連
携を財政面からも支援すると閣議決定したようです。
ここにK-BETSも関係持ちたいものです。
廣谷 精拝
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佐野レポートから把握している状況では今まで日本の政府関係者は藻類からのバイオエネ
ルギーの可能性について無関心であったと思われます。
2020年を目標に代替燃料の実用化を目指して、取組を開始したと言う情報ですがアメリカ
政府関係、州政府の動きや関連ベンチャー企業の活発な状況からすると雲泥の差の様に感
じられます。
その大きな原因として考えられることは、日本の土地利用に関する観点からの検討が大き
く欠落している様に思います。
日本には広大な耕作放棄地があり、今では40万ヘクタール以上、全耕作地の10%以上が
何も栽培していない放棄地となっている。この半分の土地に藻類などの生産にあてる長期
計画を構想するならば、パームオイルの20倍のバイオマスエネルギー生産が可能なる事業
が創出される。
この可能量の推計には、廣谷様のコラム投稿論文などにも事例が載せられていますが、日
本の森林の林地残材から得られる可能性のあるエネルギー換算総量に匹敵する以上の潜在
可能性があります。
不足しているのは、その潜在可能性に目を向ける技術開発への取組体制でしょう。
日本の農水省は、2002年にバイオマスニッポン総合戦略を立案して、エネルギー化の可能
なバイオマス賦存量を推定したが、これには、藻類に関する可能性は全く触れていない。
それを改訂して強化した2007年でも、藻類に対する取組姿勢は全くゼロに近かった。
それがやっと、ここにきて、共同研究に支援をすることになったという段階であるから、ア
メリカに遅れる事は数周の開きがある様に思います。
また、日本は海洋国家であるにも拘わらず、日本沿岸の恵まれた内浦を利用しての、海藻栽
培、養殖技術の土台があるのに、少しも研究体制を強化することをしないで、単純に漁業地
帯の過疎対策程度の支援しかしていない。
一方、中国では、沿岸部に1400kmに達する人工の藻場(海藻の養殖地帯)を造り、既に航
空機燃料用への利用事業の検討に着手している。
日本はアメリカの様に、大きな陸地を持っているわけでもないので、必然的に将来の課題とし
ては、海面を利用する方向に行かざるを得ない。
それには、海水でも養殖出来る海藻の研究と人工栽培、それのバイオ燃料化への、生産性の優
れた技術開発が、もっとも必要になる方向である。
着手の順番としては、淡水の藻類から研究する方向もあるが、海藻の養殖業はすでに、地場の
産業として実績があるから、それを近代化したり拡大していけば、2020年を待たずにして、バ
イオマスエネルギー産業に育てることは可能性があります。
大きな課題は、日本の政府関係者と地域の産業育成に関して、藻類のバイオエネルギー産業を
育てる意識が、ほとんど欠落している現状を変えていくことにあると思います。
渡邊 雅樹
